数学が在る
僕たちに翼はない。
しかし僕たちには言葉がある。
数学ガールがとても面白い。
感謝と称してブログに言及リンク集を貼るのはうまいマーケティングの手法だなこんちくしょうという感じです。こういうの見ると、つい(買い|書き)たくなっちゃうじゃないか。
とりあえず読もうと思っていたので、本日生協にて探索。小説でも数学書でもなく理工系技術書の新刊コーナーで発見しました。この本は、大学生協ならもっと分かりやすいところに平積みすべきだと思う。
読み始めると止まらず、一気に読了。
この厚さは丁寧さの賜物なので、全然苦になりませんでした。『プログラマの数学』は全然食い足りなかったのですが、これは普通に面白い。
こういう会話は大好物なので、Web版を読んだときから密かに嵌っていました。構成の上手さと比喩の上手さは流石だと思います。
手を動かしながら小説を読むのも久しぶりで、非常に心地よい時間をキャラと共有させてもらいました。ゆるりと。数学的な内容は高校生だとちょっとつらいかもしれないけど、少なくともワクワク感は伝わるはず。理系の大学生になら文句無く推せます。
感想としては、テトラちゃんの言を借りると
武器を手に入れ、自分で磨き、そして問題に立ち向かう。
そういうダイナミックな動きを感じました。
に尽きるかなぁ。
問題を理解し、分割し、試行錯誤しながら手持ちの道具を使って解いていく。その過程の心の動きを非常に丁寧に書いているという印象。主人公とのシンクロ率に比例して、物語が鮮やかに加速する。
整然とまとめられた記述の美しさも数学の本質のひとつですが、数学の一番ドキドキする楽しみは、こういう発見的な過程にこそあると思います。
それが共有できると、とても幸せな気持ちになれる。
ラヴコメに関してはこの淡白さがいいですね。個人的に大好きなキャラは先生です。エピローグで思わずニヤリとしてしまいました。
これ、続編出ないかなー。期待したいな。
結城さんには、数学であれプログラミングであれ、入門書レベル以上のものをもっと書いてもらいたいです。
- 作者: 結城浩
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